02 OCT. 2018 up date

アトリエを訪ねて vol.1 SWEETCH 〈2〉

ムードをつくるお菓子

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---SWEETCHさんのお菓子はデコレーションからラッピングまで、見たことのないアイデアが形になっていて、お菓子というものを超えた存在感があるような気がします。目の前に現れたときに「わあ!」っと思わず声が漏れてしまう人も多いですよね。お菓子を通じてその場の空気までも作っているような。心が動く瞬間を作っているような気がします。



「ありがとうございます。見た目の感動と、食べたときの嬉しさ、というのは一番大切にしていることです。お菓子があることで、その空間がより楽しくなるように。よい雰囲気になるように、を考えながら作っています。自分のお店があったら、自分のお店の空間に合わせて作りたいお菓子を作ればいい。でも私はオーダーケーキなので、それを持っていった場所にぴったり合うように。オーダしてくださった方の気持ちに沿うように。そしてもちろん見た目だけじゃなくて、ちゃんと美味しい、というのは絶対に大切だと思って作っています。」

----自分のために作ってもらえるってとても嬉しいですよね。でも毎回違う空間や人、デザインやレシピのことを考えるのは大変ではないですか?

「そうですね、でも私は同じものをずっと作る方が苦手で(笑)いつも違うものを考えて作る方が楽しいんです。作り方も自分なりに色々アレンジしながらやっていて。
先日のAMBIDEXさんのイベントのお菓子は、テキスタイルの雰囲気が伝わるように普通のアイシングとは違う方法で作りました。レシピもデコレーションもラッピングも、その都度考えてアレンジして作るのが好きなんです。」

作品のようなスウィーツ

---テクスチャーがお菓子っぽくなくて、ブローチと間違われたお客様もいらっしゃったそうです。今までどんなお菓子を作られてきたのか見てみたいです。

「最近はSNSで今まで作ったお菓子をまとめて見られるようにしています。
それを始めてから『この写真と同じお菓子で』と頼まれることが増えてきて。全く同じものを作りたくないという気持ちもあるのですが、イメージの共有という部分では分かりやすいのかなと思っています。
でもせっかくのオーダーですので、どんどん自由な発送でオーダーしていただきたいですし、私も新しいご提案をいろいろさせて頂いています。」

---そうなんですね!お菓子職人の頭とアーティストの頭と、両方を働かせてできる、作品のようなお菓子ですね。

「そうかもしれないですね。例えばレモンケーキとか、毎年作っているお菓子もあるんですが、レモンの季節が終わったら作るのを止めているんです。また次のシーズンが巡ってきた時まで、気持ちをリセットしてまた新しい気持ちで作ることが自分にとってはとても大切で。
クリスマスケーキもワークショップも同じレシピが登場することは今のところはないです。」

---一期一会なんですね!それぞれの場所で出会うお菓子がとても貴重なんだなと思いました。味やデコレーションはどこで閃くんですか?

「展示会や美術館とか、お菓子とは全然関係ない場所でアイデアが浮かぶことが多いです。イベントで訪れた先の場所やお店の雰囲気から得るものもたくさんあります。
先日友人とベトナムに旅行に行ったのですが、そこで食べたお菓子も衝撃的で。スポンジに卵黄プラス田麩が乗っていたんです!でも食べてみたら意外と美味しくって。もしかしたらこの味が、いつか何かに活かされることがあるかもしれません(笑)
旅先ではその土地のお菓子を色々食べるようにしています。」

---オーダー以外で笠尾さんのお菓子を食べられる場所として、ワークショップもあるんですよね。

「はい、ワークショップは、お皿に盛ったデザートを食べていただきたいと思って始めました。毎回その季節ならではの、フレッシュな素材を使っているので『素材を楽しむワークショップ』という名前にしています。アトリエはお店ではないので、作ったものを出すというスタイルではなく、一緒に作って、最後に作ったものプラス同じ食材を使った別のメニューを『デザートコース』として、ドリンクと一緒に何品か召し上がっていただきます。デザートはお菓子では表現できない美味しさや形、テクスチャーがあって、とても楽しいんです。素材が届いて、その状態を味わって確認してからレシピを考えているので、ワークショップのレシピも毎回違うんですよ。」

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