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帆布のまち 生成色の工場 創業明治21年の機屋と作る、 景色を感じる服作り

FACTORY vol.4

1

生成りの景色

2018年の2月、天気の良い寒い日。
電車を乗り継ぎ車に揺られ辿り着いた
岡山県児島にある「タケヤリ」。

まずは、と通された
生地の保管の部屋に入った途端、
はっと息を呑みました。

採光のためについている
屋根の窓からは清らかな光。
一面に生成りの生地。
遠くから聞こえる
織機の動く音で心地よく
生地が眠っている様で
声を出さずに感動しました。

2

梅さん

「タケヤリ株式会社」は創業1888年。
それまで別の仕事をしていた
武鑓(たけやり)家に
地域で評判の機織の名手、
梅さんがお嫁に来た事から始まります。

評判を聞きつけた木綿問屋から角帯や足袋の裏地などの注文が殺到。
そしてそれから70年後の1958年には
当時他社では織る事の出来なかった
極厚の帆布を織れる織機を導入するまでになります。

そして現代、合成繊維の生産はもちろんの事、
私達が普段利用している公的なものの生地まで
「タケヤリ」の生地は使われています。

3

にぎやかな工場

工場内は右に左に忙しそうに
織機のシャトルが動いています。

近くで見すぎると危ないぞと
言われんばかりの織機の音。

機械のまわりには織る時に出た
落ち綿が舞い上がって雪の様につもっています。

幻想的な景色。

何十年も生地を作ってきた機械たちは、
いつまでも情熱を持って仕事をしているおじさまのような
静かで力強く威厳のある顔つきをしています。

4

はじまる

沢山の経験と資料、
沢山の人の情熱が幾重にも重なった
歴史のある会社との物作り。
新しい事を快く受けてくれる
柔軟な姿勢もあるからこそ
長く続いているのだと感じます。

人が何かを作る以上、その人の何かが
それに投影されるような気がします。
だからこそ私たちも衿を正して
服作りに向かい合います。

児島で真面目に、
1歩ずつ歩んできた「タケヤリ」との服作り。
景色や空気までみなさんに伝わるような
そんな服を目指します。

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PROFILE

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所在地・岡山県 / 明治21年創業。全国の帆布生産シェア約70%をほこる岡山県倉敷市にある老舗の帆布工場。