25 SEP. 2018 up date

hiroko watanabe interview vol.1

魔法のふとん紀行~Magic Futon Journey~


のスタートの前に、渡邉紘子さんに展示や制作に関するお話を


お聞きしました。


全3回のインタビューです。



29歳でスタートした作家活動

--ここ数年、毎年個展をされていらっしゃいますが、初めて個展をされたのは、2010年ですか?

「そうです。横尾さんというカフェで。自分からお話をしに行って、実現しました。」

--美大のご出身ですが、学校を卒業されてすぐに作家活動をスタートしなかったんですね。

「はい、もともと、作家になるつもりは全然ありませんでした。親も会社勤めでしたし、卒業したら会社に就職するのが当たり前と思っていて。

でも、学生時代から作品を作るのが好きだったので、卒業するときに、もう少し製作を続けた いな、と思って一年間フィンランドに留学したんです。でもその時も、日本に戻ったら就職するという考えは変わらなくて、帰国後はすぐに就職して会社員をしていました。
当時の自分からは、こんな風になるなんて想像できませんでした。」

--そこから、作家活動を始めたきっかけは?

「当時オーガニックコットンの会社で働いていたのに、終電で帰るような全くオーガニックじゃない生活をしていて(笑)仕事は充実していて、とても好きだったんですが、自分でも製作をしたいな、といつの間にか考えるようになっていました。
私の仕事はお客様の要望を聞いて、企画をして、工場に生産を依頼するという真ん中をつなぐことだったんですが、どちらかにいきたいなという気持ちもありました。作る方か、依頼する方か。」

--それで制作を始めるんですね。

「そうですね。作るからには、個展をやりたい、個展をやるなら30歳までにという目標が見えてきて。仕事をしながらの制作は難しかったので、仕事を辞めることを決意しました。
それで自分で、場所を借りてやった初めての個展が、吉祥寺の横尾さんでの”小さな快楽”です」

薄い布を使って

--その時も布を使った作品を?

「そうですね。スタイルは、今と変わっていないと思います。その個展では、会社員時代に使っていた、オーガニックコットンを使って作品を作ったんです。
自分は薄い生地が好きだな、ということに働きながら気づきました。肌触りの良さとか、作っている人とか、背景も含めて。
それで、薄いローンの生地で作った”かまぼこレース”というのが、初めての作品です」

写真はオーガニックコットンを使って作ったレース。絵の具で染色している。

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